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新規技術

だいたい半年間の研究成果です。
特許をとるつもりは無いので、全世界に配信します。

どんな研究かというと、

「二つのモーターを使って、モーターの出力を上げちゃおう!」

という内容です。

複数のモーターを使ってダイナミッ クレンジを広くする研究はすでに行われていますが、

同一軸上にモーターの出力をまとめている研究

サイニーで論文をざっと調べた限りでは初の試みです

Cimg0875 上から

Cimg0878 したから

Cimg0880 右?から

Cimg0882  左から

Cimg0885 制御システム全体

 

 

当たり前だよ。2個のモーターを使えば出力も2倍になるよね。と思いますが、そうではありません。

同じ出力のモーターでも、それぞれの減速比に差をつける事で、

「高速・低トルク」、「低速・高トルク」のモーターユニットを用意します。

今回の提案では10倍ほど減速比に差を設けました。

それぞれのモーターユニットの出力を1つの軸にまとめる事で、

二つのモーターの出力を足し合わせます。

→高トルクのレンジと高速のレンジを抜き取ります。

それぞれ得意分野を任せようということ。 

 

ここで問題が出てきます。

スピードは素直に足し合わせることが出来ますが、トルクは足し合わせできません。

「モーター+減速機」の構成は、バックドライブという現象が起こります。

バックドライブとは

減速機からの出力シャフトに掛かっているトルクが、ギアトレインを通じて

モーターへと伝わってしまうことです。

通常、減速比の小さいギアモーターほどバックドライブしやすいです。

つまり、

二つのモーターの出力軸をまとめ一関節と見立てたた場合

高トルク側のモーターは減速比が大きいため

関節トルクがモーターまで伝わる頃には、負荷トルクが減衰します。

対して

高速回転側のモーターは減速比が小さいため

関節トルクがほぼダイレクトにモーターに伝わります。

 

コレによりなにが起こるか?

モーターにはそもそも、「何kg・cmまでの負荷までなら停動できますよ」

という限界があります。

高速回転ユニットは、高トルクユニットよりも

モーターが大きな負荷を負担することになります。

結局、モーター出力を一つの軸にまとめてしまうと

高速回転モーターが負荷負けして使い物になりません。

 

そこで

高速回転ユニットの出力にウォームギアを採用しました。

これで高速回転ユニットのバックドライビリティを無くし、

高速回転・高トルクの関節として扱うことができます。

動画

低減速比モーターのみの動作

高減速比モーターの封印解除! 

トルクの補完だけではなく、上手く角度協調も行う。

 

 

以下、新規性のある(?)各要素の解説

 

①引数を一つにすることで、一つのサーボモーターとして扱うことができる

いたずらにたくさんのモーターユニットを使うと、制御が大変になってしまいます。出力軸を一つにまとめることで、一つのサーボモーターとして扱うことができます。個人的に欲しいです。どこか製品化してくれないかな?

ここでは二つのポテンショ値を上手く混ぜています。非線形制御&要素関係が絡み合ってるので、ブロック図で示せたら面白そう。MATLAB様カモ~ン。

まとらぶ&しむりんくで制御シュミレーションする~~。

高速側の角速度をZ変換して、高トルク側の角度目標値に反映させています。

離散時間系変換~!(ドラえもん風に)

動力ユニットとして扱いが簡単になるので、利点のある新規性と言えます。

 

関節角度を指定すれば、自動でポテンショ角度の目標値を分配し、負荷状況に応じてドライブモーターを切り替えます。

(モーター出力を1軸にまとめたからこそ出来る制御)

 

②ウォームギアの負荷特性を考慮し、最適な動作レンジ内で使用する。

今回使ったのは、協育歯車の鼓形ウォームギヤです。

Cimg0852 図.ウォームギアってなあに?

英語でワームギアと読むんだね。ムシムシな感じです。スラスト加重が凄まじいことになるので、テフロンワッシャを採用し、ウォームを両持ち構造にしています。

※両持ち構造にすると、固定端のモーメント加重を相殺し、中心にかかる負荷(ウォームとウォームホイール)を八分の一にしちゃう! (計算式は略)

Photo 図.両持ちの為反対軸に穴があります。

ヽ(´▽`)/  ウォームギアは両持ち構造がマストだと思うんだ。

 

ウォームギアは効率が悪いって良く効きますよね。

半分正解です。言葉足らずなだけです。

恐らく↑は、ロボコンなどで実際に使用した人の感想です。一概にはそうとは言えません。

 

物理公式で証明してみましょう。

F=μN  ・・・動摩擦による力、

つまり回転を阻害する力Fです。こいつが効率を悪くする原因です。

μは摩擦係数。グリスを塗ればつるつるになって、摩擦係数も小さくなります。定期的にグリスを塗っていると仮定すると、μは定数と見ることができます。

N(垂直抗力)は何にあたるでしょう?ウォームギアの負荷トルクそのものです(正確には垂直効力の関数が負荷トルクです)。見えてきましたね。

ウォームギアの効率と負荷トルクは反比例の関係です(※理論値ですけどね)。逆を言えば、負荷トルクがほとんど無い状態では効率がとてもいいです。バックラッシュも少ないので、悪くないですね。さらにウォームってかみ合い部分が円形なので、応力的にみても大きな力を支える事は得意です

負荷トルクが小さいときは効率が良い。大きな力を受け止めることができる。今回の用途にはハマリ役です。

ウォームギアは効率が悪いので使わない方がいい。そんなことはありません。時と場合によって、適切に使い分けるのがモアベストです。話が長くなっちゃった・・・

設計上達のコツ、まずは要素技術を知ること!

 

③制御振動を自動で吸収する

高負荷=高速移動時の慣性なので、収束時の制御トルクも高トルクモーターが負担する。高負荷のときのみ高トルクユニットが動作するので、高トルクユニットがバネの役目をし、関節ユニット全体の振動性が減少しました。(言葉じゃ説明しにくい・・・。)

実機検証をしているときにふと感じたので、思わぬ誤算です。理論的に完全に解析できていないので、データをとって数値検証する必要があります。

あっ・・・ 追加実験しなきゃいけないのかぁ OTL

 

④負荷電流を検出する事を利用し、モーターそのものにも電流制限をかけてあげる。

サーボモーターってただでさえ制御振動で電流を消費するのに、負荷がかかったらものすごく電流を消費します。4.5Wのマクソンなら4Aくらい。あっちっちーです。

そこで、定格電流0.5Aを少し超える0.8Aまでに収まるように電流フィードバックをかけます。負荷検出の閾地を0.5Aとすれば、負荷検出と電流制限が両立できます。

 

 

 

こうして洗い出してみると、3つ新規性がありますね♪

新しいもの好きな私にはたまりません。

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